日本は昔から木材建築が盛んな国です。神社仏閣はもちろんですが、住宅にも木造建築が採用されてきました。この文化は今も続き、日本の一戸建て住宅の大半は木造住宅と言われます。そんな木造住宅にはどのようなメリットがあるのか。またデメリットは何か。今回の記事でご紹介します。
木造住宅のメリットとは?
木造住宅のメリットは大きく4つあります。
・建築コストを抑えられる
木造住宅は鉄筋コンクリート造や鉄骨造の住宅に比べて材料費が安価です。また、木材は厚みや種類によって一定の耐火効果を期待できるため、耐火処理などの下処理が簡単に済みます。この材料費が安価であること、鉄筋ほど下処理が手間でないことにより、結果的に建築コストを抑えることができます。
・湿度を一定に保ってくれる
木材には湿度によって水分を吸い込んだり、放出したりしてくれる働きがあると言われています。つまり、ときには乾燥を和らげ、ときにはカビや結露の発生を抑えてくれるというわけです。乾燥する季節や湿気が溜まりやすい季節でも快適に過ごせる。ここも木造住宅のメリットと言えます。
・落ち着きのある空間をつくれる
木造住宅の空間は、木材の香りが漂い、落ち着きのあるものです。この特徴から嗅覚と視覚による癒しによってリラックス効果を感じることができます。これは鉄筋造やコンクリート造ではなかなか得られない魅力です。
・材質によっては耐火性が高くなる
木造住宅は木材を使用するため、鉄筋などより耐火性が低いと思われがちです。ですが、じつは住宅などに使う木材は太く、熱伝導率が低め。燃えやすい側面はありますが、木材の内部まで燃えるのに時間がかかります。火災が起きても住宅の構造自体は残っていることが多いです。一方、鉄材は熱伝導率が高く、急激に温度が上がります。その熱によって鉄骨が折れ曲がり、住宅そのものが崩れてしまうことがあります。
木造住宅のデメリット
続いて木造住宅のデメリットを見ていきましょう。
・鉄骨造やコンクリート造に比べて耐久性が低い
いくら材質に優れた木材でも、基本的には鉄材やコンクリートより強度が低いです。このため、木造住宅は鉄骨造やコンクリート造の住宅より耐久性・耐震性が低くなりがちです。この材質の問題により建物の強度が低くなりやすいところは、木造住宅最大のデメリットと言えます。ただし、耐久性はこまめにメンテナンスすることで維持しやすくなります。
・害虫被害に悩まされる場合がある
構造体に木材を使用するぶん、シロアリの存在を無視することはできません。シロアリは木材を浸食し、強度の低下を引き起こします。シロアリの被害に悩まされないためにも、定期的に薬剤散布や防蟻(ぼうぎ)点検などをおこない、徹底した対策を施しましょう。
・仕上がりにばらつきが出る場合がある
木造住宅の仕上がりは、木材の管理体制や職人の腕によっても左右されます。たとえば、木材の管理がきちんとなされていないと、品質に変化が生じ、結果的に強度に影響を及ぼします。また、工場で加工できなかった木材については、職人が建設現場で直接、加工することになります。基本的には規格通りに加工されますが、職人の腕によってはその仕上がりにばらつきが生じ、品質が一定しないことがあります。ご自身が満足できる木造住宅をつくるためにも、施工会社は慎重に選ぶようにしましょう。
まとめ
木造住宅には鉄骨造やコンクリート造ではなかなか得られない魅力があります。しかしその一方で、鉄骨造やコンクリート造より耐久性が低い、害虫被害に悩まされる場合があるなどのデメリットもあります。木造住宅を検討している方はメリットだけでなく、デメリットの部分もきちんと理解しておくことをおすすめします。